社長がいないと回らない会社は、どこで止まっているのか
経営者・人事の悩み
出張や休みで数日会社を離れると、戻ったときに「社長の確認待ち」の案件がたまっている。留守の間も、電話やメールで判断を求められる。管理職はいるのに、社長がいないと仕事が前に進まない。そんな悩みを、経営者の方からよく伺います。
なぜ起きるのか
仕事が止まっているのは、管理職の机の上です。ただ、管理職が怠けているわけではありません。
多くの場合、管理職は「社長ならどう判断するか」が分からず、決められずにいます。社長は日々、たくさんの判断をしています。けれども現場に伝わっているのは「結論」だけで、「なぜそう決めたのか」という判断の軸は、社長の頭の中に残ったままです。
軸が分からない管理職にとって、いちばん安全なのは社長に聞くことです。こうして管理職は、決める人ではなく、社長の判断を現場に伝えるだけの役になっていきます。社長がいないと会社が回らないのは、判断の軸が社長一人の中にしかないからです。
経営・人事にできること
判断した理由を、言葉にして伝える
結論だけでなく、「今回は〇〇を優先したので、こう決めた」と理由を添えてください。理由が積み重なると、管理職は社長の判断の軸をつかめるようになります。
留守の間の判断は、後から一緒に振り返る
社長がいない間に管理職が決めたことは、結果がどうであれ、まず判断した理由を聞いてください。「そう考えたなら、それでいい」と認めてもらえた経験が、次に自分で決める力になります。
人事は、判断の事例を共有する場をつくる
管理職会議などで、「最近こういう判断をした」という事例を持ち寄る時間をつくってください。社長の判断の軸が、管理職全員の共通の物差しになっていきます。
社長がいなくても回る会社とは、社長の考え方が管理職を通じて現場に届いている会社です。最初の一歩は、判断の理由を言葉にすることから始まります。
